それ、違法かもしれません!

教育公務員の職務について「地方公務員法」や「教育公務員特例法」など、様々な法律や条例で禁止事項等が定められています。

法律を正しく理解することは自分自身を守ることに繋がります。このページでは学校で起こりうる法律違反として、5つの場面について説明していきます。次の5つの場面はどれも法律違反となりうるものです。心当たりがある方は埼北ToTにご相談ください。

①運動不足解消の為に、ジョギングで通勤している。

②タイムカードを切った後に、勤務を継続して行っている。

❸休憩時間中に会議が行われている。

❹年休を取得する際に、管理職に取得理由を聞かれた。

❺管理職の命令のもと残業をしたのに、勤務の割り振り変更が行われない。

①②はあなた自身が、❸❹❺は管理職が懲戒の対象となる可能性があります。それでは、それぞれの場面について説明していきましょう。

①運動不足解消の為に、ジョギングで通勤している。

教育公務員は『学校職員の給与に関する条例』により、通勤手当が支給されます。通勤手当には3種類あります。

交通機関等の利用(交通機関や有料の道路を常に使用している)

自家用車等の使用(自動車、原チャ、自転車を常に使用している)

交通機関等と自家用車等を併用して使用

いずれの場合も自宅から学校までの直線距離が2km以内の場合は支給されません。

普段、自家用車を使用している人が、運動不足解消の為に自転車で通勤することは全く問題がありません。自転車も通勤手当支給の対象だからです。

ここで問題となるのは、普段、自家用車を使用している人が徒歩やジョギングで通勤をする場合です。

徒歩やジョギングには通勤手当は発生しません。燃料代もメンテナンス代もかからないと考えられるからです。自家用車で通勤をすると申請して通勤手当を受給しておきながら、費用のかからないジョギングで通勤をすることは通勤手当の不正受給に該当します。

これは、意図していなくても違反となってしまいます。

②タイムカードを切った後に、勤務を継続して行っている。

働き方改革としてタイムカードによる打刻を行っている学校が増えてきました。

時間外勤務が多いと管理職から呼び出されて「少し残業時間が多いみたいだよ。気をつけて。」と釘を刺されるという人も多いようです。このとき、管理職がタイムカード(データ)を操作して恣意的に時間を改竄することは当然法律違反です。

タイムカードは公文書ですので、タイムカードの改竄は公文書偽造にあたります。

ここで問題となるのが、管理職があなたに改竄を指示した場合です。「時間外勤務が多いからタイムカードを切ってから働いてくれ。」と。

この指示に従ってタイムカードを実際の勤務と異なる打刻をした場合、あなた自身も公文書偽造で信用失墜行為により懲戒の対象となります。

❸休憩時間中に会議が行われている。

教育公務員であっても労働基準法が適用されます。そして労働基準法34条には「労働時間が6時間をこえ、8時間以下の場合には少なくとも45分の、8時間をこえる場合には少なくとも60分の休憩を与えなければならない。」とされています。

また、「休憩時間を自由に利用させなければならない。」ことも明記されており、休憩時間中は外出も可能ですし、管理職の命令に従う必要もありません。休憩時間中は全く拘束されることはないのです。

休憩時間については年度当初の職員会議で必ず周知されます。休憩時間中に会議が行われるようであれば管理職は労働基準法違反となります。

また、緊急の要検討でやむを得ずどうしても休憩時間が取れない場合には勤務の割り振り変更として後日、早く帰るという対応になります。

❹年休を取得する際に、管理職に取得理由を聞かれた。

年休を取得する際に、「何て理由を言おうかな…。」と悩む人も多いでしょう。しかし、そんな心配は一切する必要がありません。管理職は年休取得の理由を聞いてはならないのです。(あなたが自ら言う分には双方共に何の問題もありません。)

管理職が年休取得の理由を聞くこと自体は違法ではありませんが、パワハラに当たる可能性が極めて高いです。そして、パワハラは不法行為です。

また、理由を言わないことにより年休を取得できなかった場合には管理職は労働基準法違反となります。

年休は権利であり、ほぼ99%取得を拒否されることはありません。

❺管理職の命令のもと残業をしたのに、勤務の割り振り変更が行われない。

教育公務員の働き方を語る上で、絶対に避けて通れないのが『公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法』(通称:給特法)です。

給特法により、『超勤4項目』以外の勤務については正規の勤務時間を超えて勤務を命じることは禁止されています。超勤4項目に該当する勤務は、勤務時間外に働いた時間分を、他の日に早く帰るという形で勤務時間の調整を行います。これが『勤務の割り振り変更』です。

この『勤務の割り振り変更』は給特法に定められているので管理職は必ず取らせなければいけないものです。

しかし、超勤4項目以外の勤務である業者との打ち合わせや出張、保護者対応についても校長との相談のもと、勤務時間外に行った場合に調整が行われる場合も有ります。これは、校長の善意であるという見方もできますが、超勤4項目以外の勤務を勤務時間外に認めているという点では法律的にグレーです。

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