令和5年9月15日、埼玉県教育委員会と労働環境の改善について意見を交わしてきました。
部活動は命令か自主か
埼玉県教育委員会は『埼玉県の部活動の在り方に関する方針』を出しています。
その中で、以下の様に書かれています。

部顧問は校務分掌であることが明記されています。校務分掌とは、学校の教職員が学校教育の目標を実現するために行われる校務の分担のことです。つまり、部顧問は校長からの命令であることが書かれているのです。
部活の活動時間について
同方針では、部活の活動時間についても以下の様に書かれています。

ここで「長くとも」と書かれているところがミソですね。「2時間程度」としているものの「長くとも」という言葉があることで、現場が2時間の部活動をしていても「県教委として責任はない。校長の責任だ。」と言い逃れることができます。
この方針では、校長は「活動方針及び活動計画等を学校のホームページへの掲載等により公表する。」とあり、どの学校の部活動の方針も見ることができます。では、実際の学校現場ではどのように活動が行われているのか見てみましょう。
埼玉県北部にある児玉中学校では、

下校時刻は18:10とはっきりと明記しています。教員の勤務終了時刻は17時前です。
給特法との整合性について
以上のことを鑑みると、
・部活動は命令である
・部活動は教員の勤務終了時刻後も行われている
ということは明らかです。しかし、給特法では、校長は教員に対して超勤4項目以外の時間外勤務を命令することはできません。また、時間外勤務が発生した場合には勤務の割り振りを行わなければなりませんが、そのような対応はされていなことは確認済みです。
勤務の割り振りについて知りたい方はこちらをご覧ください。
県教委の回答
上記の矛盾について、県教委に問いました。
その回答は、なんと…
「回答できません。」
「確認し、後日、回答します。」
交渉から1ヶ月が経ち、県教委から回答がありました。
「顧問は校務分掌であり、職務上の命令です。」
ということです。つまり、
休憩時間中は、部活顧問ができない
ということです。しかし、
「勤務時間外の部活動については、校長の命令の範囲外です。」
らしいです。勤務時間中は顧問(職務上の命令)ですが、勤務時間外は顧問ではないということでしょうか。
しかし、スポーツ庁は「活動中、顧問の教員は生徒の活動に立ち合い、…」というガイドラインを出しています。

勤務時間外に顧問という立場がなくなるのであれば、上記ガイドラインを守ってないことになります。また、顧問という立場があるのであれば、勤務時間外に労働を行わないとする給特法違反となります。
つまり、県教委の言い分では、校務分掌(命令)である顧問と、校務分掌でない顧問があることになります。全く道理が合いません。
このような点を管理職や市町教委に訴えれば、違法な部活動運営は確実に是正されることでしょう。
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